« オートマは危ない&自動車保険の矛盾 | トップページ | 開院4周年です »

2006年1月30日 (月)

斜視・弱視の話を作りました

眼の病気の話を久々に更新し、斜視・弱視をアップしました(まだ作りかけです、早急に追加して行きます(^_^;))。大学時代に専門外来担当だったのだから、前々から早く作らなければいけないなあと思いつつ、今まで伸び伸びになっていました。というのも、斜視・弱視という病気は眼科の中でも特殊な分野で、眼科医の中でも斜視の事は分からない、診たくないという人も多いくらい、理解するのに苦労するところなので、いかにして一般の方に理解してもらうか思案を重ねていたのです。

図をたくさん使わないと理解しにくいところでもあり、図を作成するのも面倒で(^_^;)、ついつい後回しになっていたのです。

ところが、先日、HPに斜視の話を載せていないせいで、悔しい思い、というか私自身後悔と反省する事がありました。当院を初診で受診した斜視の子供さんがいらしたのですが、診断してお母さんにお話して、まあ経過観察で良い状態でしたので、その旨告げました。
ところが翌日、そのお母さんが、他院のHPで、筋肉の病気や脳腫瘍も斜視の原因になるというのを見て、心配になって再受診されました。色々お話して、そのような麻痺による斜視ではない旨をお話したのですが、納得されず、病院で全身検索をする事になってしまいました。結果は分かっていましたが、病院からのお返事は斜視の原因になるような病気は何もないとの事でした。

そのお母さんが見たHPというのが、斜視を専門にしている先生の書いたものなら、まだ納得も出来たのですが、こともあろうにそれはコンタクトレンズが専門の眼科のHPで、斜視についても、系統立ててまとめてあるものではなく、原因疾患を羅列してあるだけのページでした。それは斜視の原因は色々な全身の病気の事もありますが、これは筋肉や神経に麻痺がある場合のもので、主に大人の病気です。私はその子を診察したときに、当然筋肉の麻痺がない事は確認しましたし、子供に普通に最も多い間欠性外斜視だったので、その旨をお話して、経過を見ていく事としました。お母さんは、やはり子供の事だから心配になって色々調べたのでしょうね。当然当院のHPも見られたと思いますが、斜視はまだ作っていませんでしたので、他院のHPを見たのでしょう。ああ、作っておけば、と非常に後悔しました。

大学で診療している時は、まず近くの病院で診断された子供が紹介されて来る事がほどんどでしたので、あまりこのような事は感じませんでしたが、やはりこんな田舎の小さな診療所でやっていると、信頼がないのでしょうね。ちょっとがっかりしましたが、反省もしました。

小児科の先生はいつもそうでしょうが、斜視の診療は子供の診療と同時にお母さんの心のケアをしなくてはいけません。ここら辺が一般の眼科医が近寄りがたい原因かと思うのですが、私はそれは大学時代の診療でできていると思っていました。初心に返らねばと、ちょっと反省した出来事でした。

|

« オートマは危ない&自動車保険の矛盾 | トップページ | 開院4周年です »

コメント

こんにちは、診察時間中にコメントをかけるほど暇です。寒い季節はけっこうこんな日もあります。さて、私も似たような話で残念に思ったことがあります。まあ、何でも大病院で精密検査なんて思ってる方はいますのでしかたがないでしょうね。先生のことですから丁寧な分りやすい説明をされてるかと思いますが、それでも全身精査に行ってしまう方はそのような方と思って気にしないほうがいいと思います。
私の経験を書いた独り言
http://www5.nkansai.ne.jp/org/ganka/hitorigoto/0015.htm
よかっらたご覧ください。少しちがいますが根本で似た話と思います。

投稿: 飯田眼科 | 2006年1月31日 (火) 10時31分

飯田先生。
本日は当院も1日で74人と、久しぶりの70人台でゆっくりできました。やはり先生のところとは関連性があるようですねえ。最近の土曜日も良く似ています。1/7は年始にも関わらずうちも55人で少なかったですし(寒い日でしたね)、1/21は65人で、これも1人違いですね。

1月は年始が少し忙しいですが、今の時期は年末休みの1か月後にあたるためか、比較的暇になりますね。おかげで斜視の総論を全部書き上げられました(^_^;)

先日の話は、自分では充分説明して納得してもらえたつもりだったのが、ああいう結果になってしまって、大学時代とは違って今のような診療所では少し診療スタイルを変えないといけないのかなあという反省もこめての事でした。

ただ、一番ショックだったのは、患者さん(の母親)の見たというのがコンタクト眼科のHPだったからです(^_^;)。

それはともかく、ここにコメントしてくださるのは飯田先生だけで、まるで公開メールみたいですね(^^♪

投稿: 町田眼科医院 | 2006年1月31日 (火) 22時46分

こんにちは。斜視と弱視のお話興味深く読ませていただきました。子供のときから左目が内側やや上方に寄る斜視を持っています。間决性だと思うのですが、意識的に左でみるか右でみるか切り替えないといけなく、右目で見ている時は左目は完全によそを向いています。しかし、左目で見るときは右目は微妙にずれていますがほぼ同じ方向を向いています。不思議なものですね。こういう斜視の人は多いのでしょうか?

左右の視力差がとても大きく左目は視力がとても弱いのですが斜視が目立たないので普段の生活はほとんど左目を使っています。右目も使わないとだめかなと思うので家でのんびりしてるときなどは眼鏡なしで右目を使い、左目は好きなようにさせています。

今日たまたま本屋で面白いものを見ました。
20世紀初頭にドイツの眼科医(たぶん)が作った斜視矯正練習用のカードというものです。2枚のカードが対でステレオスコープを使って見ます。1枚が右目、もう1枚が左目、同じような絵が描いてありますがちょっと違います。例えば、右目用には傘の柄の部分が、もう片方には傘のパラソルの部分が描いてあり、これが一本の傘に見えるように頑張るのが矯正のトレーニングというものです。他にもカエルが輪を飛び抜ける絵などなかなかアーティスティックな物でした。こういう物は実際に使われているのでしょうか? 興味シンシンです。まだ矯正可能な子供用ですが、もし効果があるのであれば手術などよりずっと健康的なのではないかと思います。

長々と書かせていただきました。
もし何か、考えがありましたらお聞かせください。それでは。

投稿: 菅原州生 | 2012年4月10日 (火) 14時33分

菅原州生さん、コメントありがとうございます。

HPの眼の病気の話の中の斜視・弱視のページは結構苦労して作ったので、そう言っていただけるとありがたいです。

まず、
「診察せずに病気の相談にのるのは嫌いです」
http://machidaganka.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-7bf0.html
のエントリにも書きましたが、私は自分で診察せずに無責任な病気に関するコメントはしない主義ですので、この点に関してはご了解ください。

その上で、文面から明らかに分かる事だけコメントさせていただきます。

間歇性斜視というのはほぼ100%近く外斜視ですので、菅原さんは間歇性ではなく恒常性の内上斜視と思います。右目と左目を切り替えて見れるのは交代固視と言います。

右目で見るときと左目で見るときで斜視角が変わるという事ですので、共同性斜視ではなく麻痺性斜視と思われます。

内上斜視と聞いてすぐ思いつくのは、上斜筋麻痺という病気ですが、左眼固視で角度が小さく、右眼固視で角度が大きくなるという事は(その時の左眼の向きが不明ですけど)麻痺眼は右眼ではないでしょうか?麻痺眼固視で角度が大きくなるというのが麻痺性斜視の特徴です。となると左眼上斜筋麻痺というのも怪しくなります。

これ以上は実際に診察してみないと分かりませんのでご勘弁ください。もしも、確実な診断をお望みならば、お近くで斜視診療の専門家のいる病院で診察を受けてください。

>こういう物は実際に使われているのでしょうか? 

はい。日常診療で普通に使われています。大型弱視鏡、またはシノプトフォアとかで検索していただれば画像が見れると思いますが、右目と左目に別々の画像を表示して見せる事の出来る機械があります。この機械には入れ替える色々な種類のスライドあります。

お書きのパラソルのようなスライドは、似たような像だけど少しだけ違う像を左右別々に見せて、それを一つの像として認識する、融像という機能を訓練するものです。

人間の両眼視機能は、同時視→融像→立体視という順番で発達していきますので、融像はその中間の機能です。

同時視というのは両眼視機能の最も原始的機能で、全く違う像を右目と左目に見せてそれを重ね合わせて見る事が出来るかという機能です。実際のスライドでは例えば、右目にトラ、左目に檻のスライドを見せて、トラが檻に入っているように見えるという機能です。両眼視が不良な場合はトラか檻のどちらかしか見えません。

立体視は両眼視機能の最も高度の機能で、右目と左目にそれぞれ実際の右目で見た立体のスライド、左目で見た立体のスライドを見せて、両目で見て奥行きのある立体像に見えるかどうかという機能です。

ただし、これら両眼視機能をいくら訓練しても、目の位置がまっすぐでないと両眼視そのものができませんので、やはり手術治療は必要で、これら訓練はあくまでも手術までの間に両眼視を悪化させないため、もしくは、手術後に両眼視を回復させるための訓練として、あくまで補助的なものである事をご理解ください。

斜視・弱視の学問はかなり奥が深く、一般の方が全てを理解するのは無理があると思います。あくまでも患者さんがご自分の病態をどうすれば良いのかという参考までに病気の話を書きました。

投稿: 町田眼科医院 | 2012年4月10日 (火) 21時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 斜視・弱視の話を作りました:

« オートマは危ない&自動車保険の矛盾 | トップページ | 開院4周年です »